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実施記録

学会での研究発表支援学会での研究発表支援


学会報告

大学院医学教育部細胞病理学分野4年 雷 小峰

■発表学会・場所: XV International Symposium on Atherosclerosis 2009 Boston, MA, USA.
■日時: H21.6.14-6.18
学会の場所 学会の受付
学会の場所 学会の受付

2009年6月14日~18日にかけて、アメリカ、マサチューセッツ州、ボストンで行われた第15回 International Symposium on Atherosclerosisという学会に参加して参りました。
質疑応答中 ポスター現場
質疑応答中 ポスター現場

今回の発表内容:
 粥状動脈硬化症においてマクロファージの泡沫化は重要な役割があり、Acyl-coenzyme A: cholesterol acyltransferase 1 (ACAT1)が細胞内小胞体に存在するコレステロール代謝酵素の一つであり、コレステロールをエステル化されてコレステロールエステルとして細胞内に蓄積され、泡沫化マクロファージを生じます。われわれはマクロファージ泡沫化におけるACAT1の役割を検討して参りました。マクロファージ泡沫化を伴ってACAT1陽性vesicleが出現し、その一部がsyntaxin 6陽性trans-Golgi netwotkに移動することがわかった。現在はACAT1陽性vesicleがLAMP2陽性後期エンドゾーム・ライソゾームに移動することも発見した。共焦点レーザー顕微鏡、ACAT1特異的抗体を用いてImmunoadsorptionなどの実験ではマクロファージ泡沫化を伴ってACAT1がLAMP2陽性後期エンドゾームの近くのトランスロケーションを行って早い段階でコレステロールを効率的にエステル化される。ACAT1の細胞内トランスロケーションを応用したNiemann-Pick type Cの治療戦略について検討しているところです。

質疑応答について:
 Posterを発表する時に8名の参加者と議論しました。内容は、1, 現在マクロファージを泡沫化する時使用する培地の理由&作り方;2, ACAT1トランスロケーションのメカニズム? 3, きれいな写真と面白い実験系のコメント

YIAの賞状

今回のposter発表一番の成果は XV international symposium on atherosclerosis 2009のyoung investigator award を受賞されました。約千名の世界各地のposter参加者および400名ぐらいの一般講演の中から45名が選ばれてYIAを受賞しました。自分の研究は国際学会で認められました。非常に嬉しいです。今回の優勝を基点としてもっと頑張りたいと思います。

TY Chang氏のDiscussion Chang labでの記念写真
TY Chang氏のDiscussion Chang labでの記念写真

6月18日~19日にかけて、研究打ち合わせのために、指導教官坂下先生の留学先ーアメリカのニューハンプシャー州ハノーバー市にあるダートマス大学のTY CHANG研究室で研究報告が行われました。研究内容及び現在の論文の追加実験について議論し、アドバイスを頂きました。現在の研究に大きな影響があると思います。特にアメリカ名門大学の研究室では研究雰囲気とか議論の場面を実際に感じました。
最後に
このような国際学会に参加する機会を下さった竹屋教授、坂下准教授、事務的手続きを行なってくれた秘書の方々、参加前にアドバイスを頂いた細胞病理分野の皆さんに大変感謝しています。本研究は文部科学省大学院教育改革支援プログラム「臨床・基礎・社会医学一体型先端教育の実践」(熊本大学大学院医学教育部)の支援を受けました。 ボストンはニューイングランド地方の最大都市、アメリカ合衆国の最も歴史的、裕福で影響力の大きい都市であり、多くの博物館、歴史的名所、大道芸などで有名なボストンは、合衆国内で最も人気のある旅行場所と言われます。

ボストン市の位置 学会のパンフレット
ボストン市の位置 学会のパンフレット

今回私は海外で開催される学会に参加するのは初めてでした。成田空港からボストンの空港(ローガン国際空港)まで約13時間かかりました。夕方に到着しました。地下鉄でホテルまで移動しました。ボストンの地下鉄網という愛称で呼ばれています。複雑な交錯で最初に迷っていました。同行の坂下先生が導いたので無事にホテルに到着しました。

学会までのグーリン車地下鉄 ボストンの地下鉄網
学会までのグーリン車地下鉄 ボストンの地下鉄網

教育プログラムについての感想:
 通常、国際学会に参加するのは費用がかなりかかると思います。特にアメリカなどの国で開催された学会に関しては学術レベルが高いけど、費用も多いです。私は中国からの私費留学生で、このような国際学会を参加することについて費用を考えたら、殆どやめざるを得ない状況です。今回は熊本大学大学院医学教育部の大学院教育改革支援プログラムから経済支援を頂いて、アメリカのボストンで行われた第15回の国際動脈硬化学会に参加できて非常に感謝しております。今回の学会は自分にとってとてもいい経験になったと思います。今度とも引き続き教育プログラムからの支援を頂ければ幸いと存じます。